ローン特約って何?
2024年02月22日
ローン特約って何?契約時の注意事項の解説♪
ローン特約とは、不動産売買契約書における条項のひとつで、買主が金融機関のローン審査に落ちてしまった際、売買契約を無条件で解除できることを定めたものです。ここでは、ローン特約について概要や注意点などを解説します。
ローン特約とは
ローン特約(融資特約)とは、不動産を購入するにあたって金融機関からの融資全額もしくは一部が承認されなかった場合、買主が売買契約を解除できることを定めた条項です。
不動産会社の提携ローンを利用する場合は、宅地建物取引業法によって、ローン特約の設定が義務付けられています。
また、提携ローン以外の金融機関で融資を利用する場合でも、買主の希望があれば、売主との合意によって特約の付加が可能です。
あくまでも金融機関のローンが対象で、「家族や友人からお金を借りる予定だったところ、急遽断られ資金が不足した」といった場合は、ローン特約の対象外。また、金融機関のローン審査に通過しながら他の理由で契約解除を申し立てる場合も、ローン特約の対象にはなりません。
ローン特約が無いとどうなる?
ローン特約があると、ローン審査に落ちても無条件に契約を解除でき、売主に対してあらかじめ支払った「手付金」をはじめとする費用が買主に返金されます。
ローン特約が無ければ、ローン審査が承認されず資金不足で不動産を購入できない場合でも、売買契約が維持されます。支払った手付金が返金されないだけではなく、契約解除によって違約金や損害賠償などが発生するおそれがあるでしょう。
「解除条件型」と「解除権留保型」
ローン特約には、ローン審査に落ちてしまった場合に自動で契約が解除される「解除条件型」と売主への通知が必要な「解除権留保型」という2種類があります。それぞれの特徴を詳しく確認しましょう。
解除条件型
ローン審査に落ちてしまった場合に、不動産の売買契約が自動的に解約されます。買主の意思表示は必要ありません。
自動的に解約されてしまうため、別の金融機関にもローン審査を依頼していたとしても、売買契約を再度交わす必要が出てきます。その場合、契約解除の期限前に「売買契約変更合意書」を交わすことで、ローン審査に落ちてしまった後も契約の継続が可能です。
解除権留保型
ローンの承認が下りなかった場合に、買主に特約の解除権を与えるものです。つまり、自動的には解約されません。 ローン特約による契約解除を行うためには、期日までに買主から契約解除を通知することが必要。逆に言うと、解除通告期限を過ぎてしまった場合は無条件での契約解除ができなくなります。
ローン特約の注意点
契約書類や対応に不備がある場合、売主との間にトラブルが発生することも。ここでは、ローン特約の記載で特に確認をおすすめするポイントを説明します。
ローンを申し込む金融機関を明確にする
ローン特約では、融資を申し込む金融機関を明記しておきましょう。
金融機関を定めていない場合、希望の金融機関のローン審査で承認が得られなかった場合でも、「他の金融機関で融資を受けられれば、契約は継続する」と考えられます。
結果として、当初買主が希望していたものより金利の高いローンを利用することになるおそれも。
ローンの金利が変わると、ローン返済を含めた資金計画も見直しが必要でしょう。
ローン特約に金融機関の記載が無い状態だと、買主が他の金融機関のローンを拒み契約解除を申し出た場合、違約金や損害賠償が発生することがあります。
融資金額を記載する
ローン特約では、融資でまかなう金額を正確に記載しましょう。
申し込んだ金額のローンの承認が得られなかったときに、ローン特約による売買契約解除をできないおそれがあるからです。
例えば、買主が不動産購入に必要な金額が2,000万円でありながら、金融機関の審査による融資可能額が1,500万円だった場合。融資自体は得られているため、特約に融資金額の記載が無ければ、買主はローン特約による契約解除を主張できません。
ローン審査に落ちたときの対応を把握する
ローン審査後に売主への意思表示が必要かどうかや、その期日、そして適切な手段を確認しておきましょう。
「解除条件型」のローン特約であれば、適用期間内に審査に落ちた場合は自動的に契約が解除され、手付金も返金されます。
「解除権留保型」の場合は、融資が不成立になった際に買主が売主に対して契約解除の意思を通知できる期日を定めるのですが、この期日が過ぎると契約を無条件に解除することはできません。
また、解除の意思表示には、発信の事実と日付が公的に証明される「内容証明郵便」がおすすめ。電話やメール、SNSなどを利用すると、解除の意思を通知したという証明が困難になるおそれがあります。
今回のまとめ
ローン特約は、不動産売買においてローンの審査が通らなかった場合に、買主が売買契約を無条件に解除できるものです。
買主保護を目的としていますが、文言や解釈などをめぐって、売主との間にトラブルが生じるおそれがあります。
売買契約書には、ローン特約について「金融機関」「融資金額」「契約解除可能な期日」といった事項を正確に記載し、認識の齟齬が生じないようにすることがおすすめです。
「解除条件型」と「解除権留保型」の違いを正しく理解することで、万が一ローン審査に落ちてしまった際に必要な対応を把握しておきましょう。
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