測量図とは?
2024年05月16日
測量図の種類は何種類ある?全てを解説♪
こんにちは!株式会社としぶん ガマホームです♪
今回は測量図について解説していきます!
■確定測量図とは
私たち宅建業者が扱う測量図の中でも、まず一番に押さえたいのは、やはり確定測量図だと思います。
確定測量図とはどういうものでしょう?見て行きましょう。
現況測量図との違いに見る確定測量図
確定測量図は、後述する現況測量図との違いで見ていくと分かりやすいです。
確定測量図は対象となる土地を測量した測量図ですが、隣接地の所有者とのあいだで、境界を確認し合っていることがポイントです。
ここで言う「確認し合っている」とは、下記2点を済ませていることを意味します。
1、すべて隣接地の所有者とのあいだで、現地で境界を確認し合うのを済ませている。
2、すべて隣接地の所有者とのあいだで、境界を確認した旨を明らかにした書類(=一般的には「筆界確認書」と言います)への記名押印を済ませている。
確定測量図という言葉の「確定」という意味は、測量においては極めて重い意味を持つことが、お分かり頂けたでしょうか?
どんなに精度の高い測量図であっても、上記2点を伴わない測量図には、「確定」という言葉を用いることはできません。
いわば確定測量図とは、不動産業者の立場としては、筆界確認書とセットになった測量図、と捉えておくと良いようです。
現況測量図には、この書類は存在しません。
確定測量図の効力
確定測量図には、以下の2つの効力が備わっています。
A、対象地の面積が確定している。
B、隣接地との境界が確定している。
したがって不動産売買において、面積のことで揉める心配は原則ありません。
また隣接地の所有者とのあいだで、境界のことで揉める心配も原則ありません。
■現況測量図とは
では次に、現況測量図について見ていきましょう。
確定測量図との違いに見る現況測量図
現況測量図とは、上記の確定測量図とは対照的に、境界を確認し合っていない測量図のことを言います。
ただし一口に現況測量図と言っても、その言葉が用いられる範囲は広いようです。
近い将来確定測量することを見据え、あとは隣接地所有者との境界確認と、その旨を明らかにする書面を取り交わせば確定測量図になる、という状態の現況測量図もあります。
また一方で、依頼主による口頭説明と現況だけを頼りに作成された測量図も、現況測量図と言ったりします。
不動産業者としては、筆界確認書が備わっていない測量図=現況測量図、と捉えると良いようです。
したがって現況測量図には面積を確定する効力や、境界を確定する効力はありません。
現況測量図が用いられる場面
このように特別な効力が無い現況測量図ですが、これが用いられる場面とは、いったいどういう場面なのでしょう?
それはいわば、「とりあえず測量しておきたい」という場面と言えると思います。
実は確定測量図の作成には、かなりの費用とかなりの時間がかかります。
一方現況測量図は比較的安価で、かつ短時間で作成できます。
例えば契約に際し、最終的には確定測量するけど、本当に契約するかどうかわからない、という場合があると思います。
とは言え検討者としては、契約するしないの判断材料として、ある程度正確な面積を知っておきたかったりします。
現況測量図が用いられのはこんな時です。
こういう場合、依頼を受けた土地家屋調査士さんや測量士さんは、確定測量を念頭に置いて現況測量図を作成すると思われます。
また登記記録が古い土地を売り出す場合などにも、現況測量図が作成される場合があります。
より精度の高い面積の数値を出しておくことで、購入検討者へ説明し易くなり、売却し易くなると考えられるからです。
こういう場合土地家屋調査士さんや測量士さんは、依頼主からの聞き取りや現況を頼りに、現況測量図を作成すると考えられます。
現況測量図は、聞き取りと現況だけで作成される場合もあれば、現地や旧資料等を細かく調べあげ、あとは筆界確認書が備われば確定測量図になる、というハイレベルな調査によって作成される場合もあるようです。
■地籍測量図とは
地籍測量図は、確定測量図や現況測量図とは、いわば違ったものです。
以下に見て行きましょう。
確定測量図及び現況測量図との違いに見る地籍測量図
地籍測量図とは、法務局に保管されている測量図のことです。
例えばAという土地をBとCに分筆し、それを登記しようとする場合、申請書類として測量図を提出する必要があります。
そうやって申請書類として提出され、その後保管された測量図、それが地籍測量図です。
現場から上がってくる確定測量図や現況測量とは、大きく異なります。
したがって地籍測量図を確認しようとする場合、法務局や登記情報サービスからその写しを取得することになります。
一方確定測量図と現況測量図は、法務局等からは取得できまさん。
土地所有者個人が保有しています。
地籍測量図と確定測量図との関係
上記で地籍測量図は、分筆登記等の申請書類として法務局に提出される測量図のこと、と申し上げました。
ではその測量図とは、どういう手法で測量されたものなのでしょう。
実はこれこそが確定測量による手法で作成された測量図です。
地籍測量図とは、確定測量図を不動産登記法に基づく仕様で作成され、法務局に保管された測量図のことです。
ただしこの流れが確率したのは、2005年以降とされています。
2005年3月に不動産登記法が改正せれ、それ以降、地積測量図が確定測量を前提とするようになったとされています。
私たち宅建業従業者にはあまりピンときませんが、土地家屋調査士の方々にとっては、これは極めて大きな法改正だったようです。
地籍測量図の精度と日付
上記で地籍測量図は、2005年の不動産登記法の改正以降、確定測量を前提とするとご説明しました。
したがって地籍測量図に記載されている日付が2005年以降だったら、確定測量図と同等の精度があると判断して良さそうです。
しかしそれ以前の地籍測量図については、精度が高いとは言い難いです。
また登記記録によっては、地籍測量図の日付が極めて古いものもあります。
そのような古い地籍測量図は、今ほど成熟していない測量技術によって測量され、実状との誤差が大きい可能性があるとされています。
地籍測量図を確認する際には、その日付に注意しましょう。
■仮測量とは
不動産の売買営業に携わっていると、上記3つの測量図以外に、仮測量とか仮測量図という言葉を聞くことがあると思います。
仮測量、仮測量図とは、果たしてどういう意味なのでしょう?
仮測量とは仮の測量、いわば現況測量図を作成するための測量と捉えて良いようです。
したがって仮測量図とは、現況測量図のことと捉えて良いようです。
ただし確定測量において、隣接地所有者に境界を確認してもらう前の測量図のことも、仮測量図と言う場合があるようです。
「仮測量図を隣接地の所有者に確認して頂だき、問題なければ確定とする」といった文脈で用いる場合などです。
この場合の仮測量図の意味は、現況測量図とは異なります。
仮測量図とは現況測量図のこと、あるいは確定測量図の作成プロセスにおける、確定前の測量図のこと、といったところでしょうか。
いづれにしても、上記で述べた確定測量図、現況測量図、地籍測量図の3つとは別に、仮測量図という測量図がある、というわけではありません。
私たち宅建業従業者としては、上記3つの測量図だけしっかり押さえ、仮測量図という言葉は文脈の中で判断していけば良いようです。
■実測図とは
不動産の売買営業に携わっていると、実測図という言葉も聞くことがあると思います。
実測図という言葉が不動産登記の分野で用いられる時、その意味合いはより限定的で、地籍測量図を指すとされています。
しかし不動産取引の現場においては、確定測量図と現況測量図を問わず、実際の測量に基づく測量図を実測図と言うように思います。
いずれにしても、実測図という測量図が、個別に存在しているわけでないことは明らかです。
私たち宅建業従業者としては、実測図=測量図全般という認識で良いかと思います。
■土地家屋調査士と測量士
実は土地の測量自体は、機材と技術があれば、土地所有者自らが行っても構わないとされています。
そうは言っても大抵の場合、機材も技術も持ち合わせていないので、一般的にはスペシャリストにお任せするわけです。
土地測量のスペシャリストとは、土地家屋調査士と測量士がいます。
さて共に土地測量の技術を持つ土地家屋調査士と測量士ですが、両者の違いとは一体どういう点なのでしょう?
まず何よりも違うのは、土地家屋調査士が法務省管轄の国家資格であるのに対し、測量士は国土交通省の国家資格である、という点です。
更に実務においては、土地家屋調査士が登記の申請を行えるのに対し、測量士は行えない、という違いがあります。
私たち宅建業者が関わるのは大抵の場合、土地家屋調査士のほうになります。
■まとめ
いかがでしたか?
測量図については、何はともあれ確定測量図、現況測量図、地籍測量図の違いについて、しっかり押さえることが重要です。
最後にもう一度、内容を振り返っておきましょう。
□確定測量図とは
・筆界確認書が備わった測量図
・確定測量図は、面積と境界について効力が備わっています。
□現況測量図とは
・筆界確認書が無い測量図
□地籍測量図とは
・法務局に保管された測量図
□仮測量とは
・現況測量図、確定前の測量図のこと
□実測図とは
・不動産登記法においては地籍測量図のこと
・実務においては測量図とほぼ同義語
□土地家屋調査士と測量士
・土地家屋調査士→法務局管轄/登記できる
・測量士→国土交通省管轄/登記できない
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